絵本「メメーとベロベロン」
絵本「ミキフィッシュちゃん半魚人ベイビー」とは異なった展開の絵本。ミキベビのもう一つの世界。
第38回東京展・絵本の部 2012年9月9日(日)〜9月16日(日) 東京都美術館にて開催(写真の部)
目と舌へのこだわりは前回「目と舌の憂鬱」としてまとめたけれど、結局なにも憂鬱という程の難しいものではなかった。目と舌はメメーとベロベロンに改名さ
れハナンとシリーとヘソーが仲間になった。始まりは「静寂と倦怠と望みのあるような無いような静かな時代」であったが、リアルな仲間たちが登場するにつれ
にぎやかになった。
やがて登場するベロベロ人は。「そしてベロベロ人がやって来たのだ。ベロベロ人は球が好きだ。こうして空中に浮遊していることは実際をもって幸せなこと
だ。さてさて、ベロベロ人はとにかくどーしても球が好きなのだ。ベロベロ人にとって球になるのは全く自然なこと。というかそれにしかなれないのだ」 アハ
ハのハ。
つまり、メメーとベロベロンとその仲間はベロベロ人だったのだ。
そして、憂鬱、静寂、倦怠などの静かな時代の心。これは日頃から私をねらっていたベロベロ人が私の心の弱い部分の隙間から入り込みじわじわとその影響を
及ぼしてきたからに違いない。それが証拠に、私の作る作品がことごとくベロベロ人になってしまったのだ。私の喜びの半分かそれ以上をベロベロ人が持って
いってしまったのだ。さてどうするか。けれどもここで大切なことを確認しなくてはならない。この事に気付いた今ではもうこれ以上ベロベロ人の侵略はないと
見るべきだろう。だからこの事態を静観し自らを見つめ直すよい機会とするべきなのだ。
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