このように捺染は一色を染めるのに一つの版が必要です。高級品のスカーフなどは15色、15版を使ってデザインや色に深みを出しています。たいへんな手間
がかかっていますが必ずしも価格に反映されていません。手間と市場価値とが一致しないことがデザインやブランドの面白いところかもしれません。日本だけの
市場と言われているプリント(捺染)のハンカチは15色、15版を使って\1500で売られています。着物用の反物は200以上の版を使うものがありま
す。
捺染は手捺染と機械捺染とがあります。手捺染は長い板(25m)に生地を張り付け一回一色づつ人が動いて色をつけていきます。例えば、1mX1mのスカー
フは並べて染めて行って、あとでカットします。全色染め終わったあとで生地を剥がして、また新しい生地を張ります。機械捺染は15色、15版のものは版を
15枚横に並べてセットし、その下を生地が動いていきます。手捺染はスカーフやネクタイなど小ロットで模様が細かくて難しいもの、機械捺染はロットが大き
くて模様が粗いものに向いていると言われていましたが、ハンカチなどは、機械捺染で細かくてきれいなものができています。また、半自動捺染は100m程の
板の上を機械が動いて色をつけていきます。ヨーロッパの高級品などはこれでやっています。
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