絵本「ヒロインAの日々」
絵本「飲もうぜベイビー」から1年、大きな変化は。エイリアンの物語・SF超大作「物体A」が始まったことだ。この展開は面白いぜベイビー。
絵本「ヒロインAの日々」について (本文の羅列)
ヒロインAの回想から始まる。銀座のギャラリーで小さなアクセサリーを買い店を出ると閃光とともに第三次世界大戦が勃発。人類は滅びてしまう。奇跡的に生き延びたヒロインAは街をさまよう。「一人、一人さまよえば。行けど切ない〜」昔の歌など口ずさむ。オトヒメとカメに会う。カメは飛ぶことのできないヒロインAを乗せ、オトヒメと荒廃した地球をさまよう。消滅した人類の後は急速にエイリアンの世界になっていくけれど、それは自然なことだと思う。にぎやかな酒場へいく。赤い魚のマスターと目玉のオーナーに会う。ここはエイリアンの友人達がいっぱいで、いろいろな酒や歌や踊りがあってとても楽しい。酒場に来たE17に一目惚れ。ブルーの瞳が五つもあって、唇もブルー、白くて長いトサカも素敵。それにALC.43%で控えめだし。オトヒメの友人で海辺にあるバー・サバドゥビのオーナーだ。今日は走る。海へ行きビーチを走る。赤い魚も青い犬もヒロインAも走る。トレンディなイクラのふんどしで走る。〆はバー・サバドゥビでビールを飲もう。バー・サバドゥビで「物体」と会う。「物体」は生命のような物体であって、人類と異なるのはやろうと思えば何でもできてしまうこと。物体は死なない。死んだふりはできるけど。日々いろいろな出来事があって楽しい。E17と暮らすようになってしばらくすると2世が誕生する。ヒロインAの子はベイビーAとなり、スクスクと育っている。パッキンだぜベイビー。ガキのくせにサバドゥビにやってきて酒は飲むはタバコは吸うはで、全く困ったものだぜベイビー。親達といえばガキの頃はこんなもんだぜベイビーA。などと言っている。ただ歌の才能はあるみたいで、どこで覚えたかオペラのアリアを迫力で歌ったりしているぜベイビーA。夢を見た。第四次世界大戦が地球上の物体を除く全ての生物を滅ぼしてしまう。今や地球は多くのエイリアンが暮らしている。彼らはいろいろな星からやってきて地球を数少ないパラダイスとして認め合い、平和と安定の地としていた。ところが彼らの母星の紛争が持ち込まれ、一瞬のうちに地球は砂漠の地となってしまう。「物体」が好んで飲む「物体酒」についてここで語ろう。黒くてドロドロしたもので液体のように流れる。グラスに入れて「わびさび」あるいは「わぴさぴ」と叫んで飲む。これの不思議なところは、グラスを口に当てると物体酒が自分で口の中に入っていく。うまいマズイはともかく酔い心地がたまらないのだ。とにかく神の領域だ。深淵なる存在である「物体」は百億年前から人類のように記憶や意識を持った一つのまとまりとして生きてきた。その時間の膨大な量のデータがあり、それがどのようなシステムで機能しているのかはわからないが、スーパーマンなのだ。ヒロインAの夢のようなことが起こる可能性はあるが、それを止めることは物体達の力を以ってしてもできない。けれども、ここに登場してきた仲間たちの活躍で地球を守ることができるのか。「物体」とカメは物体酒を飲みながら語り合うのであった。今日は「物体」をはじめヒロインAやオトヒメ、カメがサバドゥビに集まりパーティをやる。「愛マン」がやって来るという。ハートの形をしたピンク星雲に住む「愛パワー」を持つ一族だった。しかし色々あって今では宇宙を放浪していると聞く。やはりここは月並みではあるけれど愛の出番であると思う。
第48回東京展・絵本の部に出品。2022年10月7日(金)〜10月14日(金) 東京都美術館にて開催(写真の部)
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