絵本「赤と黒の時間」

絵本「ヘロヘロがとんでるよ。」から1年、自らの顔へのこだわりが多くを占めていたけれども、
今回は赤と黒へのこだわりというか、特別な思いがある。基本的に変わることはないだろうが、こういう時もあってよい。

絵本「赤と黒の時間」について (本文の羅列)

黒い建物があって、これはまだ工事中だ。水玉が降ってくるのか飛んでいくのかは分からない。何をやりたいのか分からない。僕も工事中だ。時が愛を作る。愛というのは、時間のかかるものだ。その昔、スプーンを曲げる人がいたけれど。これは高速で振動して、灼熱の夕日のように溶けてしまうだろう。目は不思議な内臓だ。黒い瞳があって、こちらを見たりあちらを見たり、表面が濡れていて、いろいろなものが映ってしまう。午後の影があり、田園が広がっている。でもそれは緑ゆたかで空青く風の吹く空間ではなく、赤い単色の高速で過ぎていく時間でした。ゆるやかに動く海に男が立っている。浮いているわけでなく、何をするわけでなくそこに立っている。でも、水の中はタコ足かもしれないし、機械仕掛けかもしれない。今日は沖に大きな魚が来て何かを叫んでいた。それはそれは大きな声で、魚があんな風に叫ぶのは知らなかった。ピース!ピース!と叫んでいるように聞こえた。小さな漁港の草むらの囲いに赤い玉がご丁寧なことに二つぶら下がっていた。これは神のお告げか何かだろうから付け加えることにした。この背景は江ノ島だけれど、こんな感じで上下に引っ張ってみると、どこか違う所に見える。それが嬉しくて。この魚たちも喜んでいる。おめでたい紅白の浮子を乗せた船が港に浮かんでいた。何だか世の中全てがオメデタイ気がしてきた。あ、メデタイメデタイカッポレカッポレ、と。私は消える。いつの間にか私ではなくなった私は痕跡となりパーツとなり空間と時を流れ過ぎていくだろう。でも、そんな素敵なことにはならないだろう。赤ければいいってものではないがこの日は全てが赤くなっているように見えた。彼方の海までは行かなかったが血のような海は素晴らしいと思う。静かな海が語りかける。そうだね、僕がいると君がいる。笑ってないでしっかりと前を見て。そう、それでいい。浜辺にはいろいろな物が落ちています。この目のある帽子は動くことなく何時までもこちらを見ていました。そして赤い唇は目の前にやって来て何かを語ろうとしました。これは焼き鳥かやきそばでしょうね。やきやきしましょうね。そうですね雨のビーチはどこか寂しげ、この斜めの棒は何ですかね。赤の中に入る。このことで多少なりとも新しい世界を作り私の世界を広げることができた。そう、このことは重要なことだ。ここにある赤はたまたまここに残ったに過ぎない。人の世の一つの偶然だ。この藤の幹も然りだ。大した意味はない。赤いチューブは曲がっていて、それぞれが何処へ繋がっているかはわからない。これが地平線の彼方まで続いている。大地はチューブでできているように見える。自画像に意味などない。その時の成り行きだし、何かを考えているわけではない。感じているだけだ。時間も空間も流れて死はどうしてもやってくる。それはこんな風に見ているかもしれないし、ニコニコと笑ってごまかしているかもしれない。世の中いろいろあって嬉しい。けれどもいろいろなものはまた過ぎ去って消え去ってしまう。残念けれどそれもまた嬉しい。赤いコップの中にはワインが入っていて、今日はいくらも飲んでいない。けれども精神は溶けてしまって、辺りを見つめるだけだ。

第43回東京展・絵本の部に出品。2017年10月7日(土)〜10月14日(土) 東京都美術館にて開催(写真の部)
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絵本「赤と黒の時間」